

外側広筋(がいそくこうきん、Vastus lateralis muscle)
起始 |
大転子前面、大腿骨粗線外側唇 |
停止 |
膝蓋骨底と外側縁から脛骨粗面 |
支配神経(髄節) |
大腿神経 (L3~L4) |
解剖学的特徴 |
外側広筋は下内方に向かい、中間広筋と合しながら共同腱の外面の外側縁に合する外側広筋と、外側膝蓋支帯に連続する外側広筋斜走線維に分ける事ができる。
外側広筋は大腿四頭筋のなかでも最も大きく、また多くの範囲を腸脛靭帯により覆われている。外側広筋は2層構造をなしており、浅層は共同腱へ。深層は膝蓋上包へとつながる。 |
作用・機能的特徴 |
膝関節の伸展
また、膝関節の伸展の他には、下腿の外旋、外転作用も有している。 knee-out toe-in(ニーアウト・トゥーイン)のアライメントにおける膝関節の安定化には外側広筋が中心的な役割を果たす。 外側広筋の遠位部では膝関節の伸展作用とともに、膝蓋骨の外方牽引力作用が大きくなる。また、外側膝蓋支帯の緊張程度は、外側広筋斜走線維の活動性の大きく依存する。
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筋力低下 |
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機能異常・関連痛パターン |
膝関節深部に疼痛 膝および大腿の外側痛 |
臨床知識 |
膝蓋骨不安定症、膝蓋骨脱臼、膝関節拘縮、有痛性分裂膝蓋骨、ジャンパーズニー、オスグッドシュラッター氏病などと関連のある筋肉。
有痛性分裂膝蓋骨は外側広筋が付着する部分の分裂(saupeⅢ)が大部分である。この部分に関連する線維は、腸脛靭帯より起始する線維で、この線維の過剰牽引力が疼痛発生に関与する。 |
筋の走行図と周辺解剖
外側広筋の筋走行
筋膜連鎖、アナトミートレイン(筋筋膜連鎖)
外側広筋と関連する筋膜連鎖
外側広筋(大腿四頭筋)は、スーパーフィシャル・フロント・ライン(SFL)を形成する。
外側広筋のストレッチ方法を解説
一般的なストレッチ
外側広筋は膝関節の伸筋で単関節筋なので、膝を屈曲する事で伸張されます。二関節筋である大腿直筋を外すために股関節は軽度屈曲位から屈曲位でストレッチをします。
内側広筋と分けてストレッチする場合はIDストレッチングをご参照下さい。
個別伸張法(IDストレッチング)
外側広筋のIDストレッチング
開始肢位
腹臥位.両上肢を挙上.股関節軽度内転・内旋し,殿部から出るように膝関節を屈曲.
腹臥位.両上肢を挙上.股関節軽度内転・内旋し,殿部から出るように膝関節を屈曲.
PT位置
片側上肢で足背部を,反対側上肢で大腿遠位部を把持.
伸張法
股関節軽度内転・内旋し,殿部から出るように膝関節を屈曲した後,股関節を伸展.