プロメテウスは私も使用していて、イラストが美しくビジュアルで選ぶならナンバー1の解剖学書で間違いないと思います。
しかし、プロメテウスの解剖図に大きな間違いを見つけました。この間違いは非常に重要なもので、できれば次回の改訂版では修正してほしいという想いを込めて書かせて頂きます。
ツイッターでこの話題を呟いたのですが、まずは、その時のツイートが以下のものです。
多くの解剖学書が間違っていて、プロメテウスも間違っていました。
馬尾神経はこのようには配列されていません。規則正しく後方に列をなしています。これはヘルニアの理解にも重要です。
正しい解剖図とその説明↓https://t.co/8UPp9pFIml pic.twitter.com/CYbKjfIDbq
— たな勉 (@boooo_boo_jp) February 8, 2017
大人気のプロメテウス解剖学アトラス
綺麗なイラストに適度な解説文が組み合わせられ、学生から臨床に従事する理学療法士・作業療法士まで、さらには療法士に限らず医師・医学生も使用しており、幅広い層に大人気の解剖学書です。
私自身も結構頻繁に利用しています。
ただ、間違っている所がずっと気になっていました。
※ 携帯で撮影した為に傾いて見にくくすみません。
これはプロメテウスの馬尾神経が写っているイラストを携帯にて撮影したものです。
馬尾神経の配列をご存知でしょうか? 図のようにランダムに神経が配列されている事はありません。
ちなみに、他のイラストでも同様の間違った構造が描かれています。
「揚げ足をとってるだけ」ではなく、この解剖図は非常に重要です。
椎間板ヘルニアによって起こる神経根症が、なぜ損傷高位によって症状が異なるかの説明に関わります。
また、脊柱管狭窄症の場合も同じで、狭窄の形態によって症状の範囲や程度が変わります。
図のような配列が通常の構造と解釈されると、ヘルニア高位で症状・徴候を決定させている現実を解剖学的に理解する事が不能になってしまいます。
本当の馬尾神経の解剖図
第4腰椎椎体高位の横断像です。硬膜内の神経根の束(馬尾)は頭側から尾側に向かって硬膜から分岐する順に従って外側から中央へ規則正しく位置しています。
良い解剖学書のチェックポイント
どれくらいレベルの高い解剖学書かを判断する1つの方法に、「馬尾神経の配列を忠実に再現しているか?」をチェックポイントの1つする事ができます。
脊椎の手術をする医師なら極当たり前の事です。
椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症の保存療法や後療法に関わる理学療法士・作業療法士でも当たり前の知識であってほしいなと思っています。
ちなみにですが、
先ほどの解剖イラストですが、
たしか、最新整形外科学大系の【10.脊椎・脊髄】に載っていたものだったと思います。
※間違っていたらすみません。もし知っている人がいましたら問い合わせフォームからご連絡下さい。
次の改訂時に修正されないかな。。。
プロメテウスを利用している療法士は非常に多いですし、今では学生も普通に1人1冊持っているくらいです。
多くのセラピストが使用する素晴らしい教科書だからこそ、「ここは違いますよ!」と指摘させて頂きました。こんな指摘なんて目に届く事はないだろう。。。と思いながらも次の改訂時には是非、「馬尾神経の配列を忠実に再現している解剖学書」であってほしいとも思っています。
理学療法士・作業療法士に人気ナンバーワンの教科書だからこそです。
脊椎・脊髄・馬尾神経などについて間違って理解している療法士や学生が多いので、この知識を多くの療法士でシェアしてほしいと思っています。
この記事を「いいな!」とか「へぇー」と思って頂けた方は「リツイート」やら「シェア」やら「いいね」やらを宜しくお願います。
また、馬尾神経の構造を理解しやすい画像があったので続編を「めでぃまーる.net」というサイトに投稿しています。宜しければ合わせてチェックして下さい。下に添付したツイートのリンクからご覧になれます。
前に「プロメテウスの間違いを発見!」というツイートで馬尾神経の構造を間違って記載している事を報告しました。
馬尾神経の構造を理解しやすい画像があったので追加しました。
こちらからご覧になれます↓馬尾神経の構造に関する画像を追加https://t.co/wIBZt6baBR pic.twitter.com/F3qpgGNk7L
— めでぃまーる (@medimarl_net) 2017年2月12日