臨床実習は、実習生にとっては、これから「どのような理学療法士を目指したいか」という理学療法士像が出来上がるとてもいいきっかけだと思っています。
実習で、私を指導してくれたバイザーは今でも、私の理学療法士像の大部分を形成しています。
学生時代に指導して頂いた事が、その後の私自身を形成していると思っています。実習は楽ではありませんでしたが、とても楽しかったです。
しかし、なかには臨床実習でつまづく学生もいます。私の同期にもいましたし、理学療法士になってから、PTとして学生を受け入れてからも、実習でつまづく学生がいます。
せっかくの機会を、自身のこれからに価値あるものにできれば、それは素晴らしい事ですが、実習でつまづいてしまうと、これは非常に勿体ない事だと思います。
理学療法学生が実習でつまづく大体の原因
多くの場合、提出物や、レポート関連で上手くいかない場合が多いように感じます。資質面などで、つまづく学生はそう多くありません。
レポートや提出物に関するものとしては、何かしらの難しい課題ではなく、とても単純なものが多いように思います。
実際、学生にそんなに難しい課題を与える事はありません(実習施設やバイザーによって、かなりの開きがあるかとは思いますが、)。
しかし、これが上手くいかない学生の多くは、事前準備ができていない場合が多いように感じます。
レポートはどういった構成になっているのか、アセスメントはどういった事を書く事なのか、こういった事についての情報がないため、実際にアセスメントを書く課題が出た時にはじめて、
「アセスメントとは何だろう? 何を書くだろう?」
という形で、アセスメントとは?について調べはじめる所からスタートします。
調べるのも、簡単に調べてしまえば良いのですが、もともと調べ慣れしていない場合は、そこでも時間がかかってしまいます。
「アセスメントについて書かれているのはどれだろう?」
追加で調べる事が多くなってしまい、もともとやるべきだった課題に辿りつく前に、提出の日を迎えてしまいます。
ここで重要な事は事前準備です。
事前準備ができていなければ、やはり上述のような事が、あらゆる課題で出てきてしまいます。そして、後手後手で課題を進めていく事になり、ついにはギブアップしてしまうというのが、とても多い気がします。
こういった事が順調にいかなければ、実習は必要以上に苦しいですし、苦しければ顔色もさえなくなるので、他の理学療法士から、「元気がない」だとか、酷い場合は「やる気を感じない」といった、印象を悪くしてしまう結果に繋がります。
対策として必要な事は、やはり事前準備です。実習は、ある程度、自信を持って挑む必要があると思っています。その自信を持たせてくれるのが「事前準備」です。
実習で追い込まれてしまうと、正常な思考で物事を考えられなくなってしまいます。
臨床実習でのお勧めの書籍
臨床実習でフル活用できる手引書として紹介されている「理学療法 臨床実習サポートブック レポート作成に役立つ素材データ付」は、上述したような事前準備に役立つテキストです。
臨床実習に不安を抱えているかたは、準備しておくと良いかもしれません。実習がスムーズに進むと、学べる事は本当に多いです。