クリニカルリーズニングシリーズ3
「初回での問診」まとめ
- はじめに
- 問診で具体的に聴く技術 省略について
- 問診で、ここだけはしっかり聴いておきたい事
- アジェンダの設定
- オープンクエスチョンとクローズドクエスチョンについて
- 問診 オープン&クローズドクエスチョンの具体的な例
- 問診に関する記事のここまでのまとめ
- 最後に
はじめに
今回のクリニカルリーズニングシリーズでは、初回場面での問診を想定して記事にしました。マニュアルセラピーのテキストに載っているような問診項目を列挙するような記事にはなっていません。それらについては、マニュアルセラピーのテキストを開けば、ほぼ間違いなく載っているからです。ここで解説しているのは、「患者と理学療法士のコミュニケーションを通して得られる情報」という不確実な要素を多分に含む情報をどのように効率的にかつ正確に聴きだすのかという事を考えて、どのように問診をすすめていくかを伝えようとしたものです。
聴きたい事自体が自分自身(本ブログを読んで頂いている方々それぞれ)にあるが、それをいざ聴いていこうと思った時に、なかなか効率良くいかない、もしくは、特別に問診の流れを意識していなかった、という方々に参考になればという形で記事にしました。
問診の具体的な項目や、その他問診に関わる上記以外の内容も今後記事にできればと考えていますが、いったん6つの記事でこのシリーズとさせて頂きました。
問診で具体的に聴く技術 省略について
シリーズ3「初回での問診」で最初にとりあげたのは、問診でのやりとりには常に不正確さがつきまとうという事です。患者が使用する言葉が、理学療法士がその言葉を聞いて連想するものだとは限りません。限らないというよりは違っている事の方が多いと考えるべきだと思っています。そして、患者が口にする情報は、全てを忠実に説明しているのではなく、無意識のうちに患者の信念・価値感から、重要と思っているもののみが発せられます。それらの省略されてしまったものを理学療法士が復元させるような関わり合いをしなければなりません。この省略について解説したのがシリーズ1作目のこの記事です。
問診で、ここだけはしっかり聴いておきたい事
問診の中で、何を聞き出そうとしているのかを考えて、「現在症状」、「症状の経過」、「症状の結果」という形で私の勝手な分類法を用いながら解説し、ちょっとしたコミュニケーションの技法も織り交ぜて記事にしています。
アジェンダの設定
理学療法士は、患者から話を聞きださなければいけませんが、ただ一方的に聴き役に回ってしまうと、本当に聴きたい事とは関係のないやりとりに終始してしまう可能性があります。これを未然に防ぐ方法がアジェンダの設定です。
オープンクエスチョンとクローズドクエスチョンについて
マニュアルセラピーのテキストで解説されている事があるのですが、それを勝手に私なりの解説を加えました。そして、「まずは、聞くべき事について徹底的にクローズドクエスチョンを用いた方がいい」という持論を展開させて頂きました。
問診 オープン&クローズドクエスチョンの具体的な例
「脊柱管狭窄症と腰部椎間板ヘルニアを疑った際に、実際に何を聞いていくか」という事にを例にオープンクエスチョンとクローズドクエスチョンの両方の例を挙げながら解説しています。そして、オープンクエスチョンとクローズドクエスチョンの関係性を伝える内容となっています。
問診に関する記事のここまでのまとめ
初回場面の問診を、実際の臨床場面を想定して、流れがわかるように記事にしました。こちらの記事を読む事で、それ以前のシリーズ3の記事の繋がりが理解しやすくなるのではないかと思います。
最後に
問診は非常に難しく何が正解かは分かりません。シリーズ3の記事が正しい内容という保証は一切なく私見が多分に含んでいます。ただ、その後の仮説検証作業をどれだけスムーズに行えるか、というのが問診の1つの重要な要素だと思っていて、それらを意識し記事にさせて頂きました。日頃の臨床に何かしら参考になる部分があれば幸いです。いつもながら、稚拙な文章となってしまっていますが、最後まで読んで頂けたら大変嬉しいです。