リハビリ領域・痛み治療場面における臨床推論シリーズ
向かっていく大きな方向性(ファイナルゴール)を患者と共有できても、一歩ずつショートゴールを踏んでいかなければ、最終的な帰結であるゴールにはなかなか辿りつけません。
本記事では、全ての疼痛治療場面で共通するショートゴールの立て方や考え方を解説します。
理学療法士側から投げかける質問に、ナラティブというものを取り入れると少し臨床が変わってきます。
今までのクリニカルリーズニングの記事でも、部分的に取り上げられている事ですが、理学療法士側から質問を投げかける際のナラティブリーズニングについて解説します。
患者から、「私の腰はどうなっているのですか?」と聞かれた際、理学療法士のほとんどの方は、病態をしっかり患者に説明すべきと思っているのではないでしょうか?
人によっては、しっかり時間をとって丁寧に説明されている方もいるかもしれません。
この事をナラティブリーズニングの視点から考えてみたいと思います。
治療をすすめていく上で、重要になってくるのは、徒手的な治療技術があるか、という事よりも「患者と適切な治療関係を築ける能力があるか」だと思っています。
これができない状態であるなら、スタートラインにさえ立てていないので、治療技術うんぬんの話ではありません。
ラポール形成や、適切な治療関係についてナラティブリーズニングという視点から解説していきます。
ナラティブとは、
物語と和訳され、
「人それぞれの解釈」をセラピストの働きかけによって、変化するきっかけを与える事
と説明してきました。
この場合、患者のナラティブをリーズニングやセラピーの対象としています。
しかし、ナラティブが複雑になってしまう1つに、ナラティブを治療手段として用いる事も含めてナラティブという点です。
本記事では、ナラティブを手段と考える事について解説します。
「人をみる」という事が意味しているものとして、前回記事では
「ある事柄が起きた時、その反応は人それぞれ」というような事を解説してきました。(使用している言葉そのものは違います)
この反応の違いを「解釈の違い」によるものとしましたが、これを認知行動療法で行われる正の強化と合わせて、ナラティブリーズニングについての解説をしていきます。
(前回記事との2部構成になっています。本記事は2部にあたります。)
前回の記事では、機能異常と機能障害の解説を中心に行いました。
その理由としては、「理学療法士が治療をしようとしてとった行動は、何を根拠としているのか」について解説していくためです。
2部構成となり前回記事から前置きが長くなりましたが、本記事では、その点について解説していきたいと思います。
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