リハビリ領域・痛み治療場面における臨床推論シリーズ

3.徹底的推論法(試行錯誤法)によるクリニカルリーズニングの発展

2015/11/13   -推論様式

reasoning2ここまでの記事では、「マニュアルセラピーにおけるクリニカルリーズニング」をすすめていく場面での、徹底的推論法に関する記事を中心に書いてきました。

ここでは、徹底的推論法を採用し特定の手技を選択するというクリニカルリーズニングが、一応の結果を出す事ができたとして、そこからのさらなるクリニカルリーズニングの発展について考えてみます。

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2.「試行錯誤推論法によるクリニカルリーズニング」の再考

2015/11/09   -推論様式

reasoning2試行錯誤によるクリニカルリーズニング(臨床推論)は、マリガンコンセプトやマッケンジー法などを用いるセラピストには馴染み深い推論様式だと思います。この推論方法には、「原因組織を特定できていない」、「評価ができていない」といった批判を受ける事があります。しかし、その推論方法自体が、原因組織が何かという事よりも良い変化を与える刺激は何かという事に重きを置いています(原因志向と解決志向の違いです)。本記事では、この推論方法について整理し、どういった状況でこの推論様式を用いるかについて説明したいと思います。

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1.マニュアルセラピーにおけるクリニカルリーズニングで用いる推論様式

reasoning2クリニカルリーズニングシリーズ1の中では、試行錯誤の過程を通して、適刺激を探していくという事を書いてきました。そこでは用いる手技の選択よりも効果判定の重要性を書いてきました。徒手療法(マニュアルセラピー)における試行錯誤による推論は、用いる手技の選択過程の確からしさよりも、「とりあえずやってみて効果があれば、それが正しい方法といえる」という一見、当てずっぽう的にも思える思考過程です。

これはクリニカルリーズニング(臨床推論)の推論様式の一つで「徹底的推論法」と呼ばれる方法に分類されます。ここでは、それとは異なる推論様式を紹介し、この二つの違いを解説していきます。

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10.初回の治療終了時にやるべき事

clinical reasoning1今まで、「治療を停滞させないために」という最初の記事から繋がりを持たせるように書いてきました。クリニカルリーズニングが、原因組織を探すテクニックや知識だけの事を言うのではない、という思いから、一切そこには触れず、現状で考えるべき事、患者とのコミュニケーションで注意すべきこと、などを中心に解説してきました。
今までの記事では、治療場面を想定して触れてきましたが、ここでは「初回の治療終了時でのやりとり」について解説していきたいと思います。

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9.治療刺激の調整 ~より最適化された治療刺激へ~

clinical reasoning1たった一回の治療で劇的な変化を生み出し、「もうこれ以上の治療の必要がない」という状態を作り出せる魔術のような手技は存在しません。
だいたいの場合は「さっきよりは良くなった」や、「治療直後は良いけど、しばらくするとまた痛くなっている」という事だったりだと思います。しかし、これらの治療刺激の最適化を図る事で、日常生活上の痛みを十分に改善させる事ができる刺激へと効果を高める事ができる可能性があります。「治療刺激の調整」について稚拙な文章で解説していきます。

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8.効果判定のための準備(疼痛を再現させる他の動作や検査)

clinical reasoning1今までの記事では、コンパラブルサインを用いての、試験的な治療による効果の有無を確認する手順を説明してきました。また、微妙な変化を読み取る際の患者からの適切なフォードバックがもらえるようオリエンテーションの重要性についても触れました。

しかし、微妙な変化を読み取ろうとする際にコンパラブルサインの変化だけを頼りにすると、多くの変化に気づけずに間違った効果判定をしてしまいます。その対策について説明していきます。

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7.「価値のない悪化」について ~イリタビリティー? センシティビティー?~

clinical reasoning1セラピストが用いる徒手的な検査や、以前の記事で説明してきた「コンパラブルサインの確認」、「試験的な治療」などは、患者の症状に何らかの意図的な変化を起こそうとしています。

特定の運動や姿勢をとらせる事によって疼痛を再現させようとしたり、痛みの原因と思われる部位・組織に物理的刺激を加え、疼痛の再現や症状の変化をみようとしています。その変化をみていく前に気をつけなければいけない事があります。

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