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6.感度の概念を理学療法士による腰痛治療場面にも生かす。

クリニカルリーズニングシリーズ8前回記事では、診断学における感度と特異度の考え方を記事にさせて頂きました。

そこで解説したのは、感度は除外診断に、特異度は確定診断に役立つという事です。

いくつかの仮説の中で、主仮説を採用するために、他の副仮説を除外する必要がある場合に、感度の高い検査が役に立ちます。

感度80%の検査が3つ陰性であるなら、その仮説を却下する際の判断ミスの可能性を0.8%と見積もる事ができると言えます。(もちろん数式上です。)

この考え方を理学療法士の治療場面で考えた時に役立つのは、自身が持っている仮説を棄却しようとした時です。

この理学療法場面で感度の概念を活用する事について解説していきます。

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5.感度・特異度の考え方。

クリニカルリーズニングシリーズ8現在の診断学では尤度比(ゆうどひ)というものが主流で用いられていますが、以前から馴染みのある感度・特異度にも、その概念を臨床応用する利点は多くあります。

尤度比については、事前確率や事後確率、オッズ、推論様式に関する理解が必要となってしまい、また用い方を誤ると、かえって判断ミスに繋がる可能性もあるため、シンプルとされているものの、簡単に用いる事が少し難しいと、個人的には考えています。

しかし、従来からある感度・特異度は、それが何を意味するのかを理解する事で、自身のクリニカルリーズニングに、断片的にでも生かせるものだと思っています。

今回の記事では、感度・特異度についての解説を行い、同シリーズでの次回記事で「感度の概念を理学療法場面でどう生かすか(予定)」について解説していきます。

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理学療法実習生への「治療見学に入るタイミング」のアドバイス

「実習関連シリーズ」の記事です。
このシリーズは、学生向け、もしくは実習指導経験の浅い理学療法士向けに、クリニカルリーズニングシリーズと並行して作成しています。
クリニカルリーズニングシリーズはこちらから。

実習関連シリーズ

理学療法実習生への「治療見学に入るタイミング」のアドバイス

現在、クリニカルクラークシップに準拠した実習形態を求める理学療法士養成校が増える中で、中には、バイザー会議の時にクリニカルクラークシップに関する基礎知識や方法論の案内(説明)を行う学校もあります。

私は実習を進めていく上で、クラークシップを行う・行わないかに関わらず重要な事で、クリニカルクラークシップで実習を進めようとした場合は、特に重要となる学生の1つの課題があると思っています。

それは、治療見学に入るタイミングです。ほんの些細な事と思われる方もいるかと思いますが、この治療見学に入るタイミングについての個人的な考えと、これから実習を迎える学生へのアドバイスを記事にさせて頂きます。

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4.問題解決と意思決定(3.エビデンスの重要性やその使用場面を考えてみる。の続き)

クリニカルリーズニングシリーズ8-前回記事の続編です。-

前回記事では、診断におけるエビデンスは重要だが、治療におけるエビデンスは(間違っているとは言わないが)あまりあてにするものではないという(かなり個人的な)見解を述べさせて頂きました。

ツイッター上で、反響があったのは嬉しかったのですが、少しびびってしまい、不適切な表現がないかと自身で読み返してみると、

「なぜ診断では、エビデンスに頼っても何ら問題ないのに、治療となると、そこは重要ではないのか?」

という問いに対して部分的にしか解説していないなと感じましたので、慌てて追加の記事を制作しました。

前回記事を読んで頂いた方は、本記事まで読んで頂けると嬉しいです。前回記事をお読みになられていない方は、「3.エビデンスの重要性やその使用場面を考えてみる。」から読んで頂ければと思います。

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3.エビデンスの重要性やその使用場面を考えてみる。

クリニカルリーズニングシリーズ8
「実際に体験したわけではない事を鵜呑みにする。」

これは非常に危険な事ではないでしょうか?

「どこの誰か分からない人が、ネット上に投稿した記事を読んで、それを真に受ける」

と言うと、それが危険な(間違っている可能性が高い)事である事は誰でも理解できるものだと思います。

しかし、このような事と同様の状態が、「エビデンス」という言葉に変わると臨床での実体験が伴わなくても正しい事と解釈されて、鵜呑みにされてしまう傾向があります。

このエビデンスについての考え方を診断と治療という場面に分けて解説していきます。

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2.椎間板ヘルニア患者のリハビリ初回で考慮すべき事(診断に関する事)

クリニカルリーズニングシリーズ8

理学療法士が必要になってくる診断に関する知識の例として、椎間板ヘルニアと診断されてリハビリ処方となった場合を挙げて解説します。

腰痛治療に関わる理学療法士が診断に関する知識を持たないといけない理由については、前回記事で解説させて頂きました。

本記事では、腰椎椎間板ヘルニアと診断されてリハビリ処方となった患者を例に、理学療法士が行う診断的行為について解説します。

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