評価・治療法を学ぶ前に(導入)

当ページは、非特異的腰痛の評価方法と治療手技の選択について解説しているページの補助ページです。

いきなり、沢山の評価項目を並べられても、なかなか理解しづらいと思いますので、まずは、以下の簡単な体験をしてみて下さい。

 

体験1 肩外転と股関節内転、外転の制限パターン

座位 肩外転を評価

座位姿勢をとって、片側ずつ肩の外転の自動運動を評価します。

主観的な挙げづらさや、抵抗感(つまり感・つっぱり感)、努力感に左右差がないかを確認します。

軽度の制限とは反対側に主観的な抵抗感がある場合などは、可動域の微妙な左右差よりも主観的な抵抗感や努力感を優先させます。

※写真では右側で制限があり、主観的にも最終域付近での努力感を訴えたため陽性所見(+)と判断できる。右側陽性所見(+)

背臥位膝立て位、股関節外転+外旋と
股関節内転+内旋の制限パターンを確認

方法

背臥位膝立て位から①「股関節外転+外旋」と②「股関節内転+内旋」を評価する。

判定

座位肩外転の可動域制限や主観的な抵抗感・努力感などの陽性所見(+)側と同側に①「股関節外転+外旋」、②「股関節内転+内旋」で可動域制限や主観的な抵抗感がみられるかを確認する。

 

体験2 試験的治療による所見の変化

もう一度、座位 肩外転を評価

最初の検査結果の再現性があるかを確認します。陽性所見(+)であれば、これをポストテストとします。

※写真では右側で制限があり、主観的にも最終域付近での努力感を訴えたため陽性所見(+)と判断できる。右側陽性所見(+)

反対側腰椎部への治療刺激で可動性の改善

方法

座位肩外転自動運動検査で陽性所見(+)の反対側の腰椎部(多裂筋)に指圧を加えながら上方へ可動させます。皮膚上を滑らせるようにスライドさせないように注意して下さい。試験的治療後に肩外転運動の陽性所見(+)が陰性化されるかを確認します。

陰生化されない場合は、肩外転運動を行いながら治療刺激を加えます。

効果判定

座位肩外転の可動域制限の改善や主観的な抵抗感・努力感の改善がみられるかを評価します。

背臥位膝立て位、股関節外転・内転ももう一度確認します。

方法

坐位での肩外転運動の改善(陽性所見の陰生化)が確認できれば、背臥位膝立て位の可動性についても再確認します。

判定

座位肩外転の可動域制限や主観的な抵抗感・努力感などの陽性所見(+)側と同側に①「股関節外転+外旋」、②「股関節内転+内旋」で可動域制限や主観的な抵抗感がみられるかを確認する。

 

まとめ

ここで解説している事は、腰痛評価に肩関節の可動性や下肢・股関節・骨盤帯の可動性の評価をする理由を体感してもらうための補助ページです。かなり単純に説明を行い、何故このような評価を行うのかについての解説などは行っていないし、行う必要もないと思っています。

上記で挙げたような変化は、必ず起こるものではありませんが、肩外転運動に関節構成体由来(さらに限局すると構造障害由来)ではない制限がある場合、腰部に治療刺激を入れる事で可動性の改善が起こります。

これは、肩関節周囲炎と診断され、肩外転運動に軽度の引っかかり感を訴える患者にも適応できる治療方法です。

また、同様の所見を示す患者の背臥位膝立て位での股関節自動運動を評価すると上記で示したような陽性所見を認める場合が多々あります。

 

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