まずは、理学療法士養成校の種類について
現在は、数多くの養成校が存在していて、養成校独自のカリキュラムを設けている専門学校も多くあります。
養成校の種類としては、
- 3年制の専門学校
- 4年制の専門学校
- 大学(4年制)
- 3年制の短期大学
の4種類があります。
そして、専門学校には、夜間部を設けているところもあります。
理学療法士の養成校ができたころは、3年制の専門学校だけでしたが、その後、3年制短期大学、4年制大学、大学修士課程、大学博士課程が設置されていきました。
現在、3年制短期大学や4年制大学が急増しているようです。
管轄・設立母体で分類すると、
- 国立・公立・私立の4年制大学、3年制短期大学
- 国立・県立・私立の3・4年制専門学校
- 視覚特別支援学校
に分けられます。
日本理学療法士学会のホームページではすべての養成校を網羅していますので、興味のある方は覗いてみて下さい。
入学試験の概要
理学療法士養成校の入学試験を大別すると、
- 高校推薦入試
- 社会人推薦入試
- 一般入試
があります。
高校推薦では、調査書と面接、論文が重視されます。推薦条件は、学校によってまちまちですが、評定が3.5以上であれば問題ないようです。
社会人推薦は、社会に出ている人たちが対象となりますが、その他に大学卒業者などを含めている場合もあるようです。
試験科目について
設けている試験科目についても、理学療法士養成校でまちまちですので、希望する養成校のパンフレットやホームページで確認する事が重要ですが、基本的には、常識問題と面接、論文となっています。
学校によっては、英語が含まれている場合もあります。
養成校の数が、まだまだ少ない頃は、生物、物理、化学、数学、国語などの理系を中心とした試験科目を設けているところが多かったのですが、現在では、全体的な科目数の減少がみられており、養成校においては、入学試験を設けずに面接のみのところもあります。
養成校によっては、独自の審査基準を設けて、グループ面接や、面接の際に「何かアピールをして下さい。」というようなフリをされて、その対応能力をみるという学校もあります。
受験倍率
受験倍率は養成校や、その地域によってかなりの差があります。2~20倍といった範囲になるかと思います(2倍以下のところもあります)。養成校の数が増えた分だけ、その倍率は下がってきていますので、決して敷居の高い国家資格ではなくなっていると言えます。
面接試験の方法
面接試験の形式についても、各養成校によってかなり異なっていてここで説明する事はあまり参考にならないかもしれませんが、一般的には学生1名に対して数名の試験委員で質問する個人面接、複数の試験委員と複数の学生が面接を行う集団面接(グループ面接)、学生6~8名程度でグループ討議を行わせ、その様子を試験委員が観察する討論面接のいずれかを採用している場合が多いと思います。
面接時に重要な事
いずれの面接方法においても、対応するのは面接のプロではなく、実際の理学療法士です。その養成校の教員となった理学療法士が試験委員となっていますので、理学療法やリハビリをどう考えているかを知りたがる方が多いです。
面接で大切なことは、志望動機と目的、自分自身について、しっかりした根拠に基づいた説明ができるかどうかという事になります。
なんとなくの想いだけを聞かされるより、何を根拠に話しているのか?これを問う試験管が非常に多いです。医療というのは、「根拠に基づいて行う」という事が前提にあるので、論理的に話をできなかったり、イメージや想いだけを全面に出して話すことはあまり良い印象を受けないと思っておいた方が良いでしょう。
面接試験のマニュアル本も非常に重要です。マニュアルは必要なく、「自分の熱い想いを話しなさい」というアドバイスを送る方もいますが、これはマニュアル一辺倒になるなという程度のアドバイスです。
医療というのは、ルールの中だったり、チーム医療の一員としての専門性が問われる場所ですので、一般理解されているルールを知らないとなると、あまり良いイメージは持たれないと思っておいた方が良いです。
後、理学療法士は、明るく元気に挨拶ができて、どちらかというと体育会系と言われるような人たちがとても多くいますので、そういった方々が好まれる傾向にあるように感じます。
養成校で学ぶこと(カリキュラム)
専門学校のカリキュラムは、厚生労働省の「理学療法士作業療法士学校養成施設指定規則」で定められており、
- 基礎科目
- 専門基礎科目
- 専門科目
があります。
基礎科目は、大学の一般教養科目に対応するものです。すでに大学を卒業している方でしたら、養成校の授業は免除になります。
専門基礎科目は、基礎医学である解剖学・生理学などと臨床医学である内科学・整形外科学・精神医学などがあります。
専門科目は、理学療法の知識、専門技術・治療技術、実習などがあります。
最低限の履修時間は3000時間となっています。
また、1999年度から指定規則が改正され、各学校独自の特徴あるカリキュラムを作成する事ができるようになり、特に専門技術関連の授業に独自性がみられるようになってきました。
単位制も導入され、大学への編入などもできるようになっています。1単位の時間数は、講義では15または30時間、実習では45時間となっています。