理学療法のはじまり

理学療法技術のはじまり

紀元前のヒポクラテス時代から始まるとされています。

当時の医術の方法はというと、

  • 食事療法
  • 薬物療法
  • 自然療法
  • 運動療法

理学療法は物理的刺激と自然エネルギーを利用することから、自然に発祥したものと考えられています。

人が疼痛を訴えたとき、なでたり、揉んだり、温めたりすることは本能的な行動です。動物でも、さすったり、舐めたり、また太陽の光に当てて温めるなど、似たような行動は認められています。

このような事が、経験的に積み重ねられて、物理的刺激である温熱、光線、電気刺激の利用や、マッサージ、運動・体操などが治療に応用されてきました。

アメリカでは、1894年にポリオが大流行しました。脊髄性小児麻痺とも呼ばれるポリオは小児に多く流行し、ウイルスの経口感染により、脊髄の運動をつかさどっている神経細胞に炎症が起きて、主に手足の麻痺などの症状が出ました。

そのポリオによる身体の麻痺に対して、機能の回復を目的とした治療としての理学療法技術が多いに利用され、理学療法が急速に発展してきました。

また、第一次世界大戦のころには、多くの戦傷者が出たことから、理学療法による治療のための技術者の養成が行われるようになりました。

整形外科の後療法

日本の医療機関が最初に理学療法を導入したのは大正時代です。理学療法士の前進であるマッサージ師が、大学病院でマッサージを始めたのが最初になります。

ここでは、整形外科疾患が中心で、手術の後療法として、関節が硬くなって動かなくなる関節拘縮に対するマッサージや矯正運動が行われ、その他にも、腰痛や肩の痛みなどに対する物理療法などが行われていました。

そのころは現在行われている理学療法のように、ギプス固定中に運動を実施することはなく、ギプス除去後の筋力低下や関節拘縮が起きてから、後療法として理学療法が行われていたようです。

今では、ギプス固定中や、手術直後でも理学療法士による治療介入が行われています。

理学療法士の資格ができる以前は、マッサージ師や柔道整復師などが治療に当たっていました。医学の進歩に伴い、マッサージ師や柔道整復師の業務ではなく、理学療法を専門とする職種の必要性が指摘されるようになっていきます。

そして、整形外科疾患の後療法のみならず、脊髄損傷や四肢の切断、関節リウマチなどの他に、脳性まひ、脳血管障害などの中枢神経疾患が対象として加わりました。

理学療法士の資格化

医学的リハビリテーションの重要性は、第二次世界大戦以後、厚生省、日本整形外科学会などで認識され、理学療法士および作業療法士の資格の必要性が提言されました。

やげて、1965年に「理学療法士及び作業療法士法」が制定されて、その翌年に第1回の国家資格試験が行われ、183名の理学療法士が誕生する事になります。

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