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超衝撃の臨床実習。全てはここから始まりました。

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私が「理学療法って面白い!」と思った最初のきっかけは、最初の長期実習で四年制専門学校の3年後期での実習でした。

私は沖縄県の専門学校だったのですが、こんな時しか県外には出れないからという事で県外の実習先を希望して、九州の宮崎県にあるペインクリニックで実習をさせて頂く事になりました。

そこで学んだことは、学校では学べない事ばかりで、とても刺激がいっぱいだったのを今でも覚えています。

後に、そのクリニックに勤務する事になるのですが、そこは追々書いていきたいと思っていますので、まずは、そこで実習がどう刺激的だったかを少し書かせて頂きたいと思います。


君はもう合格だよ!

バイザーとの最初のオリエンテーションで最初に言われた事です。

「君は、もう実習合格が決まった。」

「じゃあ、これからの長い2ヶ月間、何のために過ごす?」

「もう、合格は決まったんだから、合格するために頑張る必要はないよね?」

「この実習を何のために頑張るかを考えてごらん」

こういうふうに、仏のような笑顔で語りかけてきました。

そして、そのまま続けて、

「デイリーノートも出す必要ないよ。」

「君がやるべきだと思った事をやりなさい。」

最初は、「えっ?放置する気まんまん?」と思いましたが、考えてみたら、こんな楽な事ないじゃん♪という気持ちもどこかにあったと思います。

結局、バイザーが何を求めているのか分かるようで、分からないようで、、、一応は自分なりに実習に取り組んでいました。

学校で学んできた事を復習したり、MMTの手順を見返したり、そして理学療法士の治療風景を観察してメモをしたり、、、

一応は、実習生が普通にやりそうな事はやっていたと思います。


そして、それを4日程続けていると、急にバイザーが私を個室に呼びつけました。

そこは、初期評価や理学所見をとる際に利用する個室(リハ室内に設置された理学療法士用の診察室のような部屋)なのですが、そこには1人の患者とバイザーがいました。

私が、個室内に来ると、バイザーは患者に話しかけます。

「今日から、あなたの担当の先生です。彼がしっかりみてくれるので、リハビリを頑張って下さいね。」

これだけ言って、個室から出て行ってしまいました。

 

患者は70後半〜80代の元気そうな、細身のおばあちゃんです。

私に向かって、「宜しくお願いします。」

と言ってくれました。

私は、「はい、宜しくお願いします。」

とだけ返して、

「少しだけ待っててもらって良いですか?」

と言って個室を出ました。

バイザーは、部屋から出た後は、私を観察する様子も一切見せずに、そのまま立ち去って行こうとしている所でした。

後を追いかけて、呼び止めて私は聞きました。

「僕はどうしたらいいんですか?」

すると、バイザーは、

「ん?なんで?」
「それを俺に聞くの?」
「お前が担当の患者なんだろ?俺に聞いてどうすんの?」

私はプチパニックになり、

「はい、間違えました。」と意味不明な返答をしたのを覚えています。

患者を待たせ続けるわけにはいかないので、先ほどの個室に戻り、

「お待たせしました。」

と、言った後に自己紹介をして、

そこからは、簡単な問診をしました。

なんとなく学校で習った事と、持ってた検査シートの穴埋めをするように、いくつか聞いていきました。

何を聞いたかは覚えていませんが、あっという間に聞く事がなくなって、変な空気が流れたのを覚えています。

そこから、私の心の中で、

「え?あとは何をしればいいんだろう…」

と、ほんの少しの間だけ思考停止に陥りましたが、

「あっ!とりあえず検査だ!」

と、この土壇場で天才的な案を閃きました。

そして、

「とりあえず、学校で習った事をやろう!」
「後で、やり忘れたってならないように、思い出せるものは全てやろう!」

とひたすら検査をしたのを覚えています。


とりあえず思いつく検査を行いました。(内容は割愛)

一旦、その時にやろうと思った検査全てやり終えると、少し待っててもらうように患者に伝え、再びバイザーの元に行きました。

また変な質問をして、「こいつバカだな」と思われるのがイヤだったので、今度は最初のような質問をしないように気をつけて、

「現段階で必要と思う検査をやり終えました。」
「患者さんは、このあとは先生(バイザー)がみるのですか?それとも、僕の検査が終わったら帰ってもいいのですか?」

と聞きました。

バイザーは、

「じゃあ、今日は終わりでいいよ。」と話しながら、患者が待つ個室へ歩きはじめ、私はそれに付いていきました。

部屋に入ると、バイザーから患者に、今日はこれで終わりである事を伝えると、リハ室から患者が出ていくのを一緒に見送りました。

その後の、バイザーからのフィードバック

患者がリハ室を出て行くと、バイザーが私に声をかけてきました。

「何をやったの?」

私は自信満々に、(ちゃんと学校で学んだ検査をやりましたよ!とアピールするように)行った検査項目を列挙しながら、検査シートを提出しました。

するとバイザーは、この検査シートにほとんど目を通さずに、

「その検査って何かのためになってるの?」

こう聞いてきました。
そして、続けて、

「じゃあ、これで患者の問題は解決できるんだね?」

そしたら、私は動揺しながら「いいえ」と答えました。

するとバイザーは、「じゃあ意味ないじゃん。」

と薄ら笑いしながらも、超冷たい目で、超冷たい事を言ってきました。

たしか私は、心の中で、「まだ学生なんだし、はじめての長期実習で、はじめての担当患者さんなんだから、色々教えてくれてもいいのに…」と愚痴っていたと思います。

そして、こんな冷たい事を言うバイザーに戸惑っている私に向かって、こう続けました。

 

いいかい?棚原君、

これでわかったよね?

君が学校で学んできた事は、患者さんの役には立たないんだ。

そして、君自身も助けてくれないんだよね。

じゃあ、これから考える事はわかるよな?

何が役に立つのか、

何が必要なのか、

自分自身の臨床を助けてくれるのはどういった知識なのか、

これを知らないといけないよね?

それを知らないと、2ヶ月後も君はこのままだよ。

この実習が、2カ月後の君のためになるように取り組んでごらん。

俺のためにやるんじゃないぞ。お前が大切だと思う事をお前のためにやるんだぞ。

 

かなりの衝撃が走りました。

一番最初の仏のような笑顔はなんだったんだ…って感じもありましたが、今日の自分の取り組みが「何のために、誰のためにやっていたんだろう」ってなって恥ずかしくなりました。

この時の衝撃が大きすぎて、10年たってもこの1日の出来事とバイザーの冷たい顔は忘れません。笑

しかし、この日が私にはとって、とても大切な日になりました。

 

それからというもの、

「何が必要なのか?」「どういった知識が必要なのか?」「何を考えるべきなのか?」こういった事を自問自答するクセがついてしまいました。

そして、その日からの実習というのは、治療見学する際には、バイザーと他の理学療法士の行動や、使用する言葉にも注意を払い、「何が目的か?」「どういった意図があってそれを行っているのか?」「それをすると何に役に立つのか?」など考えながら見学するようになりました。

このブログサイトのメインテーマであるクリニカルリーズニングシリーズは、その日から始まった私自身の、「臨床で必要な事は?」「何を知らないといけない?」

などの自問に自答しながらでき上がったのをブログ用に書き下ろしたものです。

残念ながら、ここにエビデンスと言われているものはあまり考慮されていません。

しかし、「私なりに悩みながら一生懸命考えて臨床に取り組んできた実際」を記録してきたもので、私自身の臨床を実際に助けてくれるものです。

もし、興味のある方は、是非、読んでみてほしいと思っています。

長々となってしまい申し訳ありません。最後まで読んで頂いた方はありがとうございます。

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