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アセスメントとは?書き方やポイントについて (実習レポート)

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実習指導者から、「アセスメントを書いてきて」と言われても、何を書いて良いのかわからない、また書き方自体がわからない学生が私の経験上たくさんいます。その多くが「考察」と「統合と解釈」と「アセスメント」の区別をつける事ができていない事によるものです。ここでは「アセスメント」について書いていきます。

レポート形式の実習スタイルをとる・とらないに関わらず、この区別をつける事は非常に大切です。臨床に出れば上司やドクター、他職種に報告書を提出したり、施設間での連絡をとりあったりしますので「考察」と「統合と解釈」と「アセスメント」の区別がつけられるようにはしておくべきだと個人的には思っています。

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このシリーズは、学生向け、もしくは実習指導経験の浅い理学療法士向けに、クリニカルリーズニングシリーズと並行して作成しています。
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アセスメントという言葉を和訳すると「評価」という言葉になりますが、理学療法士が使う「評価」とは意味としては異なります。またコメディカルの中でも、その使い方は変わってくるので、明確に定義しにくいものの一つかもしれません。

理学療法学生の実習を考えると、だいたいの場合、一つの検査に対して、その検査に対するアセスメントを書くのですが、ここでやる事は、この検査に対してのアセスメントです。

それが何を意味するかと言いますと、その一つの検査で出てきたデータに対して価値付けを行う事です。

 

例えば、関節可動域検査に関するアセスメントを考えてみます。

行った検査結果を表にする事が多いと思いますが、これはこのままでは、ただの生データです。この生データを、他の人が見た時に、検査結果で出ている数字の何が問題で、何が問題でないのかがわかりません。

その生データを、他の人が見た時に(もちろんアセスメントを行おうとしている本人も含めて)、この結果から「より注目する所はここだ」という価値付けを行うのです。

例えば、単純なものでいうと、関節可動域検査における参考可動域からの逸脱というのは、生データから、特定のデータに対して価値付けを行いやすい一つです。

生データを列挙した後に、アセスメントの記載欄に、「参考可動域から逸脱しているのは、腰部の左側屈と前屈であり、同じ腰部でも伸展や右側屈や左右の回旋は参考可動域を保てている。」などを記載する事です。

これを見た人は、「被験者は腰部の屈曲と左側屈だけに可動域制限があるのだな」という事が理解出来ます。

また、腰部の全ておいて参考可動域から逸脱がある場合にも、その事を記載するとともに特に逸脱が大きい運動方向と小さい運動方向を分けるのも、この生データに対する価値付けです。

ここで行うアセスメントは、この生データの価値付けであり仮説生成ではありません。ですので、「前屈制限の原因として考えられるのは…」という記載は優先順位としては、かなり低くなります。

自身で考えておく事は重要ですが、この自身の考えを書くのがアセスメントの目的ではありません。

骨折の疑いでレントゲンを映した際に、レントゲン技師が、骨折線の有無などをチェックし、それがあれば、その事について記録をとります。ここで、どの筋肉がどうなってだとか、転倒の機序を考察したりはしません。
この映し出されたレントゲン像の価値付けを行っているだけです。

つまり、ここでアセスメントとして記載すべき事は、その検査結果という生データに価値付けを行う事です。

関節可動域検査や徒手筋力検査などの結果を、「わかりやすく価値付けする事」と、「何かしらの仮説を立てている事」を分離する必要があります。

数値には表現されていない何かがあれば、それについても触れる必要があります。

 

例えば、行った検査手法についての価値判断も必要になる部分です。

正式な方法で行えず別法を用いた場合や、患者の本来の検査結果が出せていないような何かがあればそれについても記載する必要があります。

「参考可動域から逸脱している」もしくは、「結果に問題なし」としたその結果そのものの正確性妥当性が保てているのかは重要なポイントです。

動作を分析するという事について考えた場合は、アセスメントは少々複雑です。

例えば、寝返りを考えた場合、「寝返りをしてみてください。」と患者に自由な寝返りを求めた場合、それが、見るからに非効率なやり方をしてたとしても、できないからその方法で何とかやっているのか、癖でやっているのか、見られている緊張感で日頃とは違う方法になってしまったのか、という判断はできません。

もし、癖や緊張感でそうなってしまった場合は、機能障害との関連を確認しようと思って行った動作検査の結果についてのアセスメントを行う意味がなくなってしまいます。

被験者の自由意志で行える検査は、特にどういった方法で行ったのか、その検査結果そのものに正確性や妥当性があるのか、といった視点は特に重要になります。(動作検査についての解説は別記事で予定しています。)

また検査によっては、一回の検査では正確性を保てないと考える場合は複数回行い、その平均値をとる事があります。複数回やってもやっぱり同様の結果出るものと、検査の度に結果が異なるものとでは、その価値は違うはずです。

行った検査によっては、結果の平均値、最大・最小値、標準偏差、施行回数による違いなどを記載する事も、できるかもしれません。

動作検査で出てきた動作の遂行時間に関するもので考えた場合、複数回の実施から平均値を出してそれが、カットオフ値に引っかからなかったとします。この場合「問題なし」とする事がありますが、この複数回で出てきた最大値と最小値に差がある場合は、何かしらの意味がありそうです。

このように一旦、生データを整理する事で、その結果の特徴や傾向というのが見えてくる場合もあります。(ただし、理学療法学生の実習ではあまり求められる事はないと思いますので、この点はそこまで気にしなくてもいいかもしれません。)

 

少々分かりにくかったという方々にもう一例を示します。

あなたが、体調を崩し何かしらの病気を疑って、病院を受診したとします。
そこで血液検査・生化学検査を受けました。その結果を表にされて渡されてもきっと意味がわからないと思います。

そこで、基準値より上がっているものには赤色、下回っているものには青色(もしくは上向きと下向きの矢印表記)で、何が問題なのかを解釈しやすくされているかと思います。そこで初めて、あなたは、何に異常値の可能性があるのかという事が理解できます。

また、それらについてのコメントとして、「腎臓に関する数値が上がっています」という事実が書かれています。あなたの私生活に関する仮説は書かれていないはずです。

時々、肝臓の数値が上昇している結果に対して、患者に対するコメントとして、「お酒の飲みすぎに注意しましょう」と載っている場合がありますが、これがメインではないはずです。
あくまでも、この検査結果の事実を記載する事と、価値付けを行う事が最も重要な事です。

「ただ結果の表だけを見ても理解できない」、これらの事について分かるように書くのがアセスメントです。

ですので、行った検査の分だけ、それぞれにアセスメントが存在します。そして、アセスメントはその検査についてのアセスメントです。

検査のやりっぱなしにならないように、その検査結果が示す特徴や傾向などを生データから読み取り、価値付けを行う行為が、アセスメントにあたります。

実習形態によっても異なりますが、検査測定実習でできるようになっておくべき項目になるかと思います。

 


このシリーズに記載されている事は、極一般的で基本的な事のつもりで記載していますが、施設やバイザーによって考え方も指導方法も大きく異なります。また、地域や時代によっても違いますので、その点については十分に注意して下さい。

実習においては、すべては担当する指導者に従って下さい。また、こちらで書かれている事が確かな情報である保証は何もありませんので、担当指導者や幾つかの資料、学校の先生にも聞いたりしながら、たった一つの情報源を唯一の根拠としないように気をつけて下さい。

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